過去ツイをまとめてみました。超短編小説。2013年7月。

昔、ツイートで書いてみた小説をまとめて公開します。

 

 

ソファーに横たわってしばし時間が経った。リビングのドアガラスから夕日が見える。オレンジ色に染まってる空を振り返ってみた。「あ、もうこんな時間」壁に掛けていた時計は4時10分を示していた。ストレッチをして立ち上がりベランダの花に水をやった。バラがちょうど咲き始める頃、楽しい時間。

少しぼんやりまたソファーに座りじっとしていた。首を少し斜めにしながらぼーっと。そういえば、もうあと一ヶ月であの日から一年になる。「ふあー!」とあくびとため息混じりの声を出してテレビをつけてそろそろ黒くなり始めるベランダのドアに目線を向けていた。

「だから、なんだと言うのよ?」「いや、そういうことを言うんじゃなくて、・・」「もういい、帰るから」土砂降りの中で髪の毛がずっしり濡れるまで公園で口喧嘩をしていたあの夜にまた思いを馳せていた。あの人と別れて一年か。あの日は今日みたいに晴れてなかったな。自分を誤魔化すために鼻歌を。

レモンソーダ・・・。ストローを差し込んでコップを持ったままテレビのチャンネルを回す。天気予報、「明日の関東地方は概ね晴れた天気・・・」チャンネル替えを繰り返すうちにもう5時になった。「明日は洗濯しよう」どのチャンネルも天気予報ばかりだったから「明日は絶対晴れます」と言われたが如く。

夕飯は軽く、昨日の残りの材料でなんとかなれそうだから今晩はうちでずっとこのまま。明日は洗濯を済ましたら散歩でも出かけようと思った。「よっし!」合点がついた気になって明日も今日のように納得の日になれそう。

一人で公園を歩いていた際、彼の姿が見えた。眩しい日差しの中から彼の目を見た。私をずっと見つめてる「なぜ?」なぜここにいるの?私は聞きたかった。しかしあまりにも突然の再会だったからすぐ喉から出てこない。彼の唇が動いた。何か話してる、「え?何?」

「はっ!」目が覚めて起き上がったら夢だった。首筋にまで汗が流れてる。ああっと言いながらまたソファーに横たわった。3時か。真っ黒になったドアガラスの外は雨に濡れていた。また今日も雨だった。【終】